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下のバトンへの回答?続き?が到着しましたー。
筆者しなちさんです。
編集者ファティーマ姫にふりまわされそうな予感の作家しなちさんという設定
で続けていただきました。…予想以上にとんでもない旅になってます。
『超セレブなナジュの旅』ではどうぞ。
==============================
ファティーマ姫とナジュ砂漠へ取材旅行へ行くことになった私ことしなち。
「いい、しなち。この写真集のコンセプトはセレブ、
しかもプチセレブなんて貧乏くさい言葉でお茶を濁すんじゃなくて
ずばり、超セレブ! でいきましょ♪」
ウキウキしながら計画を立てる姫の迫力に押されるようにして、
私たちはつとにリゾート開発が進むナジュ砂漠にやってきました。
泊まるホテルは世界で唯一の七つ星ホテル、ナジュビアンタワー!
眩いばかりの圧倒的なゴージャスさですが
「こういうところは臆したら負けよ」
と、ロビーへと向かう姫、さすが生まれは隠せず
品があり堂々としたものです。
ロビーには私たちを出迎える一人の少女が。
その背中に背負ったクマは、どこか見覚えがあります。
「まぁ、このホテルのオーナー自らがお出迎えとは恐れ入りますわ」
なんと、このホテルを経営する一族の末娘、タチアナ・ラザイエフでした。
「いらっしゃいませファティーマ様。遠いところをようこそ」
握手をしようと手を出したとき、派手な衣装を身に着けた一人の男が
回転扉をくるくると回しながら入ってきました。
「タチアナ! よくもバンガードタイムズのインタビューであんなことを言っ
てくれたな!」
「挨拶もなしにいきなりねフルブライトさん。あんなこととは『ホテルの内装
のセンスはオーナーの服装センスを見れば分かる』かしら? それでどうして
あなたが怒るのかしら?」
「ふざけるな! 隣に建設中のうちのホテルの営業妨害だと訴えるぞ」
「それなら言わせてもらうけど、うちのホテルのHPの口コミページに、あるこ
とないこと書いてるのはあんたでしょ! ウィルミントンからの書き込みは少
ないからすぐに分かるのよ!」
「な、なんのことだ…」
「ねぇ、しなち。時間がかかりそうだから、先に別の場所を取材しましょう
か」
ファティーマ姫がそっと私に耳打ちし、私たちはその場を後にしました。
「お腹がすいたから先に食事にしましょうか。ナジュでは珍しいロブスターの
踊り食いが食べられる所があるのよ」
ロブスターの踊り食いとはなんだか食べにくそうだし、そのうえ嫌な予感がす
る私に構わず、
姫は立派な構えの店にさっさと入っていきました。
「ここは食事をしながらショーも楽しめるのよ」
席に着くなり、私たちの正面の舞台からは物凄い火柱が立ち上りました。
「キャー熱い! なんなのコレ?」
火の粉は容赦なく降りかかってきます。
と、下手のほうから渦を巻きながら水柱が舞台に落ち込み、
たちまち火は消え、あたり一面水浸しになりました。
「いきなり何しやがる!」
ずぶぬれになった男が舞台の中央で怒鳴ると、
ピエロのような化粧をした女が舞台に上がりながら涼しい顔で答えました。
「それはこっちのセリフよ。日が暮れてからならともかく、この砂漠で炎の
ショーは場違いじゃないの、ボルカノ。リンボーダンスでもする気?」
「だからと言って水をぶっ掛けることはないだろ! お前って女は加減を知ら
んのか」
「どうなってんの、このレストランは。もう行きましょ」
舞台のまん前にいたため、ボルカノと同じようにびしょ濡れになった私たちは
席を立ちました。
「本当はもっと夜が更けてからと思ってたんだけど、まぁいいわ、行っちゃい
ましょ」
姫が次に私を連れて行ったのは『ベリーダンス』の看板が上がった妖しい雰囲
気の店でした。
「ベリーダンスと言っても女性が踊るんじゃないの。素敵なメンズたちによる
ダンスよ♪」
水煙草の煙と官能的な音楽の流れる薄暗い店に入った途端、
「ひ、姫様~こんな所に来てはいけません~~~」
とへそ出しルックで号泣する、浅黒い肌に、黒く長い髪を一つに縛った大柄な
男の姿が。
「ギャー、あんただったの? 歌って剣舞もできるカリスマダンサーって」
砂漠まで来たものの、いつまで経っても取材が出来ない私たち。
さて、この写真集の行方は?
============================
*回答とはこんな感じでよろしかったでしょうか?(笑)
*ハイ。すみません、いつもいつも強引で。(笑)
筆者しなちさんです。
編集者ファティーマ姫にふりまわされそうな予感の作家しなちさんという設定
で続けていただきました。…予想以上にとんでもない旅になってます。
『超セレブなナジュの旅』ではどうぞ。
==============================
ファティーマ姫とナジュ砂漠へ取材旅行へ行くことになった私ことしなち。
「いい、しなち。この写真集のコンセプトはセレブ、
しかもプチセレブなんて貧乏くさい言葉でお茶を濁すんじゃなくて
ずばり、超セレブ! でいきましょ♪」
ウキウキしながら計画を立てる姫の迫力に押されるようにして、
私たちはつとにリゾート開発が進むナジュ砂漠にやってきました。
泊まるホテルは世界で唯一の七つ星ホテル、ナジュビアンタワー!
眩いばかりの圧倒的なゴージャスさですが
「こういうところは臆したら負けよ」
と、ロビーへと向かう姫、さすが生まれは隠せず
品があり堂々としたものです。
ロビーには私たちを出迎える一人の少女が。
その背中に背負ったクマは、どこか見覚えがあります。
「まぁ、このホテルのオーナー自らがお出迎えとは恐れ入りますわ」
なんと、このホテルを経営する一族の末娘、タチアナ・ラザイエフでした。
「いらっしゃいませファティーマ様。遠いところをようこそ」
握手をしようと手を出したとき、派手な衣装を身に着けた一人の男が
回転扉をくるくると回しながら入ってきました。
「タチアナ! よくもバンガードタイムズのインタビューであんなことを言っ
てくれたな!」
「挨拶もなしにいきなりねフルブライトさん。あんなこととは『ホテルの内装
のセンスはオーナーの服装センスを見れば分かる』かしら? それでどうして
あなたが怒るのかしら?」
「ふざけるな! 隣に建設中のうちのホテルの営業妨害だと訴えるぞ」
「それなら言わせてもらうけど、うちのホテルのHPの口コミページに、あるこ
とないこと書いてるのはあんたでしょ! ウィルミントンからの書き込みは少
ないからすぐに分かるのよ!」
「な、なんのことだ…」
「ねぇ、しなち。時間がかかりそうだから、先に別の場所を取材しましょう
か」
ファティーマ姫がそっと私に耳打ちし、私たちはその場を後にしました。
「お腹がすいたから先に食事にしましょうか。ナジュでは珍しいロブスターの
踊り食いが食べられる所があるのよ」
ロブスターの踊り食いとはなんだか食べにくそうだし、そのうえ嫌な予感がす
る私に構わず、
姫は立派な構えの店にさっさと入っていきました。
「ここは食事をしながらショーも楽しめるのよ」
席に着くなり、私たちの正面の舞台からは物凄い火柱が立ち上りました。
「キャー熱い! なんなのコレ?」
火の粉は容赦なく降りかかってきます。
と、下手のほうから渦を巻きながら水柱が舞台に落ち込み、
たちまち火は消え、あたり一面水浸しになりました。
「いきなり何しやがる!」
ずぶぬれになった男が舞台の中央で怒鳴ると、
ピエロのような化粧をした女が舞台に上がりながら涼しい顔で答えました。
「それはこっちのセリフよ。日が暮れてからならともかく、この砂漠で炎の
ショーは場違いじゃないの、ボルカノ。リンボーダンスでもする気?」
「だからと言って水をぶっ掛けることはないだろ! お前って女は加減を知ら
んのか」
「どうなってんの、このレストランは。もう行きましょ」
舞台のまん前にいたため、ボルカノと同じようにびしょ濡れになった私たちは
席を立ちました。
「本当はもっと夜が更けてからと思ってたんだけど、まぁいいわ、行っちゃい
ましょ」
姫が次に私を連れて行ったのは『ベリーダンス』の看板が上がった妖しい雰囲
気の店でした。
「ベリーダンスと言っても女性が踊るんじゃないの。素敵なメンズたちによる
ダンスよ♪」
水煙草の煙と官能的な音楽の流れる薄暗い店に入った途端、
「ひ、姫様~こんな所に来てはいけません~~~」
とへそ出しルックで号泣する、浅黒い肌に、黒く長い髪を一つに縛った大柄な
男の姿が。
「ギャー、あんただったの? 歌って剣舞もできるカリスマダンサーって」
砂漠まで来たものの、いつまで経っても取材が出来ない私たち。
さて、この写真集の行方は?
============================
*回答とはこんな感じでよろしかったでしょうか?(笑)
*ハイ。すみません、いつもいつも強引で。(笑)
この夏にニュースなどで見ていて小説のネタになると思った出来事集。
◆甲子園・佐賀北優勝
野球にほとんど興味がないので、見たときにはすでにベスト8くらいでした。
そのとき佐賀北は帝京とやっていて、帝京のほうがガンガン打つので勝つだろ
うと思いました。
ところが、サードからホームインするのを奇妙に止められる。
ヒットはちゃんと打っているし、守備もいいし、スクイズで満塁にして、これ
でとどめだ、というときに返り討ちに遭う。
これを佐賀北は決勝までやりました。素晴らしい守備とプレッシャーに強い攻
撃。
しかし負けたほうはいやだったろうなと思うのです。毎回塁に出て、今にも突
き放す点がとれるというときに刺されてダメになる。これの繰り返しで消耗し
たのではないかと。暑さも半端じゃないしね。
バトルの描写にいいですよね。倒れそうなのに倒れない、そしてついには勝っ
ている。
佐賀北はおめでとう。でも負けた高校も頑張ったよ、あの酷暑の中、最後まで
投げ出さずに。
◆ダーティヒーロー朝青龍
巡業はファンサービスしなくてはならず、優勝賞金が出るわけでもないし、移
動が多くてハードだとしても、それ我慢するのがプロだと思う。
モンゴルではどうだか知らないけど、自分は日本にいるのだし、そして日本の
大抵の仕事持ちは、暑かろうがなんだろうが、仕事放り出してどこぞでサッ
カー遊びなんかしない。休みのたびにモンゴルに帰国する暇があるなら、もう
少し日本の日常に目を向けていればよかったのに。たとえ、師匠が我慢ならな
いほどどうしようもない人だったとしても、オノレの不品行は他人のせいにで
きない。それに、こういう勉強は人に教わるより自分で身につけるもので
しょ。
ふてくされたような顔で、謝罪もしない姿を見るとムカつくし、もう戻ってこ
なくていいと思う。でも一方で、モンゴルの絵本を見た子供がたちまち「これ
朝青龍?」と大声で親に聞いているのを見ると、モンゴルといえばまだ白鵬で
はなくて彼なのであり、彼のおかげでモンゴルという国を覚えたおちびさんた
ちのためだけでも、ちゃんとして復帰してもらいたいとも思う。
完全に悪役というのではないけど、その手前でくじけて堕落しそうなヒーロー
がもがき苦しんで復帰を目指す――ストーリーになりそう?(笑)でもファン
タジーっぽくないか。
◆皆既月食
見た見た!
気持ち悪かったです。色が赤黒いのでまがまがしいったら!
日食のほうが空気が冷えて暗くなってくるので尚気持ち悪いけど、月が欠ける
のでも十分だと思った。昔なら不吉といって当たり前。
これはもちろん、怪しい前兆として描写できるよね。天文ファンではないんで
すが、天文はファンタジーのネタになる気がするので、ニュースで聞いて見ら
れる条件だったら見るようにしています。
「うわー、これやっぱり普通に欠けてるのと違う~」と言いながら、眺めてい
るうちにどんどん元通りになりました。元通りになってもどうってこともない
のにやはりほっとしました。
◆甲子園・佐賀北優勝
野球にほとんど興味がないので、見たときにはすでにベスト8くらいでした。
そのとき佐賀北は帝京とやっていて、帝京のほうがガンガン打つので勝つだろ
うと思いました。
ところが、サードからホームインするのを奇妙に止められる。
ヒットはちゃんと打っているし、守備もいいし、スクイズで満塁にして、これ
でとどめだ、というときに返り討ちに遭う。
これを佐賀北は決勝までやりました。素晴らしい守備とプレッシャーに強い攻
撃。
しかし負けたほうはいやだったろうなと思うのです。毎回塁に出て、今にも突
き放す点がとれるというときに刺されてダメになる。これの繰り返しで消耗し
たのではないかと。暑さも半端じゃないしね。
バトルの描写にいいですよね。倒れそうなのに倒れない、そしてついには勝っ
ている。
佐賀北はおめでとう。でも負けた高校も頑張ったよ、あの酷暑の中、最後まで
投げ出さずに。
◆ダーティヒーロー朝青龍
巡業はファンサービスしなくてはならず、優勝賞金が出るわけでもないし、移
動が多くてハードだとしても、それ我慢するのがプロだと思う。
モンゴルではどうだか知らないけど、自分は日本にいるのだし、そして日本の
大抵の仕事持ちは、暑かろうがなんだろうが、仕事放り出してどこぞでサッ
カー遊びなんかしない。休みのたびにモンゴルに帰国する暇があるなら、もう
少し日本の日常に目を向けていればよかったのに。たとえ、師匠が我慢ならな
いほどどうしようもない人だったとしても、オノレの不品行は他人のせいにで
きない。それに、こういう勉強は人に教わるより自分で身につけるもので
しょ。
ふてくされたような顔で、謝罪もしない姿を見るとムカつくし、もう戻ってこ
なくていいと思う。でも一方で、モンゴルの絵本を見た子供がたちまち「これ
朝青龍?」と大声で親に聞いているのを見ると、モンゴルといえばまだ白鵬で
はなくて彼なのであり、彼のおかげでモンゴルという国を覚えたおちびさんた
ちのためだけでも、ちゃんとして復帰してもらいたいとも思う。
完全に悪役というのではないけど、その手前でくじけて堕落しそうなヒーロー
がもがき苦しんで復帰を目指す――ストーリーになりそう?(笑)でもファン
タジーっぽくないか。
◆皆既月食
見た見た!
気持ち悪かったです。色が赤黒いのでまがまがしいったら!
日食のほうが空気が冷えて暗くなってくるので尚気持ち悪いけど、月が欠ける
のでも十分だと思った。昔なら不吉といって当たり前。
これはもちろん、怪しい前兆として描写できるよね。天文ファンではないんで
すが、天文はファンタジーのネタになる気がするので、ニュースで聞いて見ら
れる条件だったら見るようにしています。
「うわー、これやっぱり普通に欠けてるのと違う~」と言いながら、眺めてい
るうちにどんどん元通りになりました。元通りになってもどうってこともない
のにやはりほっとしました。
トークに書けばいいんですが面倒なので、ここでまず書いて後日加筆修正して
アップということに。
ルートヴィッヒについて考えていることを書きます。
自分の小説でルートヴィッヒという野心家を出していますが、ルートヴィッヒ
とピドナの乱及び本編最後にルートヴィッヒが失脚しているらしいという展開
をみて、ずっと思っていたこと。
それは、「ルートヴィッヒ」なる人物は一人とは限らないのではないかという
ことです。
これからは仮説であります。
ルートヴィッヒという人物はいるにはいたが、そのルートヴィッヒがすべて取
り仕切って戦ったわけではなくて、ある集団を代表して名前を貸している。
その集団とは、ピドナを拠点にしたい商人、仮名商人ル。
海上での勢力が弱まりつつある海賊、ジャッカル。
クレメンスの人望を邪魔に思う貴族、仮名貴族ル。
そこへリブロフからルートヴィッヒ(便宜上 代表ル)が接触してきたとしま
す。
それから、話を面白くするために投入したいのが、
自分の術の実験に政治を弄ぶことにした悪の魔術師。
ロアーヌ出身のいかがわしい薬専門の医師であった彼は、それこそアビスのパ
ワーを使う技術があり、それらしい場所から薬の原料を得れば、特殊な効果を
得ると知っています。
たとえば、誰かそっくりに変身できる薬とか。
たとえば、寝ている人間の夢から物を盗み出すことができる薬とか。
海賊は各地の怪しい素材を持っていたので、仲間に引き入れる。
クレメンスの勇敢な海軍をつぶすのにも使える。
商人は、クレメンスの不興を買うような商売をわざとやってピドナにトラブル
を持ちこむ。嘘の情報を執拗に流して、市民の結束を困難にさせる。
貴族は戦力の弱点を調べ上げる。そして代表ルートヴィッヒに密かに教える。
この人物は戦争専門。部下で腕の立つ兵士を連れています。
クレメンスが名君であり、稀に見るオールマイティな人物だとすれば、
彼と比較してみて自分たちが劣るくらいは自覚しています。
かれらは、小物の集まりだけれど小物なりに専門があって、それぞれの得意を
持ちより、小魚が群をつくって巨大魚の影を作るように、ルートヴィッヒなる
野心家の影を作り出した。
クレメンスがひとりのルートヴィッヒに負ける要素はなかった。
けれども、全く弱みがないわけではありません。
クレメンスという人物はたったひとりしかいないということです。
クレメンスが何らかの罠で暗殺されたとして、(変身能力で味方に化けた、と
いうのが最もありそうなかんじです)、その後ピドナの舵取りができる人物は
いたはずです。けれども本編で名前が一度も出てこないということは、消され
たということではないでしょうか。
貴族ルはピドナの最重要会議の日時を知っていて、それをリーク。
兵士を潜入させ、集まっていた重要人物を一度に殺害する。
神王教団が使う火薬があるわけで、凶器は爆薬だったと思われます。
また、代表ルもほかの一味も冷酷なので、重要人物殺害を確実にするためには
兵士を犠牲にすることもいとわなかったかも知れません。
ここまで切り崩して初めて、ピドナに正面から襲いかかることができると思い
ます。
さてそれから5年後です。
本編エンディングでルートヴィッヒは消えていて、王宮にはシャールやミュー
ズの姿がある。
ルートヴィッヒという1人がピドナを牛耳っていたなら、捕らえて裁判にかけ
るとか、失脚して追放されたとかいう描写があってもいいはず。でもそれはま
るでなくて、どうして消えたのかすらはっきりしていません。
海賊は正体がばれて逃げ、ついには退治されましたが、ほかの一味もやはり同
じようにどこかへ逃げ去ったものと思います。仲間を助けに出ていけば自分が
組織ルートヴィッヒの一員であることが知られてしまうのです。もっとも、こ
んなふうにオノレの保身を第一とする連中だからこそ、正しくもあり善でも
あったピドナを混乱に陥れたりするとも言えるのですが。
でも代表ルは、代表であるばかりに顔を知られ、悪事はすべて自分がしたこと
にされ、そう簡単には逃げきれません。
しかしながらこのルートヴィッヒが裁判にもかけられないのは、代表ルをとら
えても組織ルートヴィッヒの実体とは程遠い小物であったため、密かに追放刑
程度で決着したせいかもしれません。令嬢がそれ以上の残酷な刑を望むとも思
えませんしね。
商人ルは商売にならないと思えばさっさと他の土地へ行くだろうし、貴族ルは
自分が一味だとばれない工作をするだろうし、魔術師は、当初から表に出ない
で一味を踊らせていただけなので、実験終了とばかりに姿を消すだけです。
ではその解散タイミングとは何であったか。
主人公パーティによるアビス突入とラスボス退治、これ以外にはないと思いま
す。
アビスのパワーを利用したなにかを一味が使っていたとすれば、主人公の勝利
でそのパワーは消えてしまい、その直後に組織ルートヴィッヒが解散した、と
考えると、クーデターも裁判もないルートヴィッヒの退場も、まあどうにか筋
が通って見えるのです。
アップということに。
ルートヴィッヒについて考えていることを書きます。
自分の小説でルートヴィッヒという野心家を出していますが、ルートヴィッヒ
とピドナの乱及び本編最後にルートヴィッヒが失脚しているらしいという展開
をみて、ずっと思っていたこと。
それは、「ルートヴィッヒ」なる人物は一人とは限らないのではないかという
ことです。
これからは仮説であります。
ルートヴィッヒという人物はいるにはいたが、そのルートヴィッヒがすべて取
り仕切って戦ったわけではなくて、ある集団を代表して名前を貸している。
その集団とは、ピドナを拠点にしたい商人、仮名商人ル。
海上での勢力が弱まりつつある海賊、ジャッカル。
クレメンスの人望を邪魔に思う貴族、仮名貴族ル。
そこへリブロフからルートヴィッヒ(便宜上 代表ル)が接触してきたとしま
す。
それから、話を面白くするために投入したいのが、
自分の術の実験に政治を弄ぶことにした悪の魔術師。
ロアーヌ出身のいかがわしい薬専門の医師であった彼は、それこそアビスのパ
ワーを使う技術があり、それらしい場所から薬の原料を得れば、特殊な効果を
得ると知っています。
たとえば、誰かそっくりに変身できる薬とか。
たとえば、寝ている人間の夢から物を盗み出すことができる薬とか。
海賊は各地の怪しい素材を持っていたので、仲間に引き入れる。
クレメンスの勇敢な海軍をつぶすのにも使える。
商人は、クレメンスの不興を買うような商売をわざとやってピドナにトラブル
を持ちこむ。嘘の情報を執拗に流して、市民の結束を困難にさせる。
貴族は戦力の弱点を調べ上げる。そして代表ルートヴィッヒに密かに教える。
この人物は戦争専門。部下で腕の立つ兵士を連れています。
クレメンスが名君であり、稀に見るオールマイティな人物だとすれば、
彼と比較してみて自分たちが劣るくらいは自覚しています。
かれらは、小物の集まりだけれど小物なりに専門があって、それぞれの得意を
持ちより、小魚が群をつくって巨大魚の影を作るように、ルートヴィッヒなる
野心家の影を作り出した。
クレメンスがひとりのルートヴィッヒに負ける要素はなかった。
けれども、全く弱みがないわけではありません。
クレメンスという人物はたったひとりしかいないということです。
クレメンスが何らかの罠で暗殺されたとして、(変身能力で味方に化けた、と
いうのが最もありそうなかんじです)、その後ピドナの舵取りができる人物は
いたはずです。けれども本編で名前が一度も出てこないということは、消され
たということではないでしょうか。
貴族ルはピドナの最重要会議の日時を知っていて、それをリーク。
兵士を潜入させ、集まっていた重要人物を一度に殺害する。
神王教団が使う火薬があるわけで、凶器は爆薬だったと思われます。
また、代表ルもほかの一味も冷酷なので、重要人物殺害を確実にするためには
兵士を犠牲にすることもいとわなかったかも知れません。
ここまで切り崩して初めて、ピドナに正面から襲いかかることができると思い
ます。
さてそれから5年後です。
本編エンディングでルートヴィッヒは消えていて、王宮にはシャールやミュー
ズの姿がある。
ルートヴィッヒという1人がピドナを牛耳っていたなら、捕らえて裁判にかけ
るとか、失脚して追放されたとかいう描写があってもいいはず。でもそれはま
るでなくて、どうして消えたのかすらはっきりしていません。
海賊は正体がばれて逃げ、ついには退治されましたが、ほかの一味もやはり同
じようにどこかへ逃げ去ったものと思います。仲間を助けに出ていけば自分が
組織ルートヴィッヒの一員であることが知られてしまうのです。もっとも、こ
んなふうにオノレの保身を第一とする連中だからこそ、正しくもあり善でも
あったピドナを混乱に陥れたりするとも言えるのですが。
でも代表ルは、代表であるばかりに顔を知られ、悪事はすべて自分がしたこと
にされ、そう簡単には逃げきれません。
しかしながらこのルートヴィッヒが裁判にもかけられないのは、代表ルをとら
えても組織ルートヴィッヒの実体とは程遠い小物であったため、密かに追放刑
程度で決着したせいかもしれません。令嬢がそれ以上の残酷な刑を望むとも思
えませんしね。
商人ルは商売にならないと思えばさっさと他の土地へ行くだろうし、貴族ルは
自分が一味だとばれない工作をするだろうし、魔術師は、当初から表に出ない
で一味を踊らせていただけなので、実験終了とばかりに姿を消すだけです。
ではその解散タイミングとは何であったか。
主人公パーティによるアビス突入とラスボス退治、これ以外にはないと思いま
す。
アビスのパワーを利用したなにかを一味が使っていたとすれば、主人公の勝利
でそのパワーは消えてしまい、その直後に組織ルートヴィッヒが解散した、と
考えると、クーデターも裁判もないルートヴィッヒの退場も、まあどうにか筋
が通って見えるのです。