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ロマサガ3の二次創作を書いているひとのブログです。
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アルウェンがロアーヌの書庫に行くと、担当の人がいった。
「ウンドーメ様寄贈の図書が増えました。どうぞ、整理番号もつけましたからご自由に御覧下さい」
「ありがとうございます」
アルウェンは早速その棚へといってみる。……キリないほどマニアックな内容の本ばかりだった。さすがに、手が出ない。かろうじて、東方の娯楽本という気軽なものが見付かったので、それを読むことにした。

《めっさーなの夏は祭りの季節である。下町はここぞとばかりに賑わい、パウルス寺の前は屋台や大道芸がさかんだ。
その賑わう通りを、へなちょこな東方人が逃げてくる。追ってくるのは耳にサンゴのピアスをしたやくざだった。取り囲まれた。
「おう兄さん、ばくちをするのはいいが、いかさまはよろしくないですぜ」
「い、いかさま?」
「おう、兄さん、いいかんざし持ってるじゃないかい?お詫びにそれ貰えるんだったら大目にみないでもないですぜ?」
「これは、友達にあげるのに工房で作ってもらったんです」
言い負けない少年に、やくざらはしびれをきらした。
「面倒だ、たたんじまえ」

拍手


袋叩きにされる、その瞬間!
「ちょっと待ちねえ」
やくざが振りかえると、黒髪をなびかせた遊び人風の若者が立っている。涼しげな緑の瞳、余裕たっぷりの表情。手下が殴ろうとした腕を軽々とひねった手並みの早さ。
「誰だ、てめえ」
「おいらはめっさあなの遊び人『そろ次』ってんだ。異国から来た子供に、手荒な真似はいただだけねえな、ジャッカル屋のだんながた?」
「しゃらくせい、やっちまえ、簀巻きにして海に放りこめ」

チャーンチャーンチャーン、チャチャチャチャチャチャチャーン!(BGM違わないか?)
見事にやくざを叩きのめしたそろ次に、ピドナ町人は拍手喝さい。
そろ次は差し出されたランスの銘酒をこれまた見事なのみッぷりで、さらに拍手喝さい。しかしいつの間にか姿が消えていた。

翌日、旧市街奉行所に届出があった。奉行そろんぎるは、同心フェリックスたちの報告をふまえ、関係者を呼んでしらすで解決することにした。
呼ばれたのは、東南蛮人ヤン・エイ、ジャッカル屋ジャッカルと手下数名、その友人で川向こうの隠居モレスコである。

「届出によると、ヤンはジャッカル屋が主催の賭場でいかさまをはたらき、そのせしめた不正な金子でかんざしを購入し、返金を迫ると暴力で応じたとある。ジャッカル屋、相違ないか?」
「はい、間違いございません。しかも、手下が返金をお願いしましたら、おそろしい用心棒を使って殴る蹴るの狼藉三昧。これではまともな商売もできません」
「次に隠居モレスコ。隠居屋敷の余った部屋を使い、賭場を貸していたとある。相違ないか?」
「はは。この賭場はくらうでぃうす家のお定めにのっとった娯楽施設でございます。それをいかさまで遊ばれたのでは隠居のたのしみが台無しでございます。その上ジャッカル屋さんの若い衆がさんざんな目にあわされたんでございます」
「ヤン、言うことはないか?」
「あの、船着場を尋ねたら連れていかれたところがそこでした。ルールを知らないのでいかさまはできませんし、小判も機械から勝手に出てきて「YOU WIN!!!」と出たので貰えると思いました。もし機械の故障とか、説明があれば返金したと思いますが、故障にしては次の人もそこに座ってやってました。
それに、いかさまといんねんつけて、先にすごんできたのはその人たちのほうです」

ヤン・エイが勇気を持ってそう言ったので、奉行は深くうなずいた。その仕草がジャッカル屋は気に入らない。
「思い出しました、そいつの用心棒は遊び人で、そろ次って呼ばれてました。そんな遊び人がうろついていたのでは、まっとうな仕事ができやしねえ。すぐにそろ次を引ったててください。そいつが一番の黒幕なんです」
「なるほど、そろ次とな?」若い奉行の声がするどくなった。
「そう、そろ次です!ならず者そろ次をどうぞよんでください!」と、モレスコも言った。

「そろ次なら、ここにいるよ」声が変わった。
一同驚いて顔を上げる。
「おうおうおう、せっかくピドナの港が活気付いているこのときに、様子をしらねえ旅人にあやしいすろっとましんを勧めて金をまきあげ、勝てばいかさまといんねんをつける、そういう苦情がたまっていたんだよ。それのどこがまっとうな商売だい? お天道様はごまかせても、遊び人そろさんには通じねえ。
おめえさんがた、さっきそろ次って名前をだしたからには、おいらが証人ってことになるんだぜ。(書いときな、と傍の部下に合図。部下は頭を下げて書きつづける)」
そして奉行のかしこまった態度になり、
「ジャッカル屋ジャッカルおよびその手下、旅人にあやしげな手引きで賭け事を強要し、所持金を巻き上げる所業、許しがたし。またモレスコ。そのほうも隠居屋敷を悪用されていると知りつつ、もうけのために続けていた罪は重い!よって両人と手下、最果ての島へ遠島申し付ける!」

おそれいりました、としおれる悪人たち。
「さて、ヤン・エイ。妹アリエンへのプレゼントのためにとんだ目にあわせてすまなかったな。お前さんが先に工房へいって先払いしたことが、兄弟の口からはっきりわかってたぜ。ピドナの祭り、満喫していっておくれな」
「はい、ありがとうございます」

その日の午後、ピドナの土手に、かんざしを渡してはにかむヤンと、喜んでいるアリエンの姿が見られた。これで旅人の苦情もへることだろう。旧市街の尖塔の上にすわって、ピドナをにこにこと眺めるソロンギルであった》

アルウェンはすぐに書庫に戻しにいった。しかし真面目なのでコメント用紙にこう書いた。
「登場人物が偏っていると思います。そして、遠島が最果ての島ではロブスターさんたちが迷惑だと思います」
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