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数年前に書いた「こわれモニカ」ネタを再録いたします。
新作ができてなくてすみませんねえ~(←あまり反省していないだろう)
モニカがツヴァイクへ嫁入りしそこね、その後処理でミカエルは頭が痛かった。そんなことはまるで何処吹く風のモニカは庭の手入れに余念がない。ミカエルは窓からその姿を眺め、つくづく見かけと中味の違う妹だと思うのだった。
モニカは宮殿の裏庭にコスモスを山ほど作っていた。そしてそれを山ほど刈りとって、兄の執務室へ持ちこんだ。
「お兄様!こんなに素敵なお花を御覧になったことがありまして?」
「御覧になったことはあるよ。郊外に出ればコスモス街道がいくつもある。地元ボランティアの皆さんが作っているとよくニュースでやるではないか」
「まあ」モニカはむくれた。「観光においでになる時間はないだろうと、せっかく育ててさしあげましたのに」
そんな心配りをするくらいなら嫁にいってくれれば助かったのだが、とミカエルは思ったが、口に出すのは危険なような気がした。
「うむ。花を眺めるのはたしかに心が和むな。ちょうど頭が痛かったので休むとしよう。ま、5分くらいなら」
モニカはそこで間近に迫っていた。ミカエルはびくりとしたがもう遅い。
「頭痛は大病の兆候かも知れませんわ!すぐに、検査入院なさいませ!」
「いや、頭痛くらいでそんな・・・・・・」
「こんなこともあろうかと、ロアーヌには救命救急チームがございますの!」
いつのまにそんなチームを、というツッコミもできないまま、ミカエルはとてつもない勢いで担架にのせられ、宮殿のバリアフリー(これもいつのまにか改装されていた!下手に留守はできないものである)の廊下を疾走させられた。
「ぶつかる、スピードをだすのはよせ」
「一刻を争うのですわ。しっかりお捕まりください、お兄様!!」
その間にモニカは携帯電話を取りだし、コールをかけた。
【脳に重篤な病巣の疑われるクランケ一名、センターに送致する。スタッフは急行せよ。繰り返す、全スタッフは急行せよ・・】
一体どんなスタッフが来るのやら。というか、ちょっと頭痛がしただけで手術でもされたらたまらない。ミカエルはスタッフとやらに話せばわかると思った。しかし途中で合流したのは。
「ユリアン!」
「お任せ下さい、どんな悪路だろうと迅速にお連れいたします」
悪路もなにもここは道じゃない、宮殿の中である。ユリアンはモニカとタッチ交替すると、いよいよフルスピードで走る。カーブカーブ、それから下り坂。うう、酔いそうだ。
そして病棟に到着すると、そこにはさらに見覚えのある顔が。
「もう大丈夫です、ミカエルさま!ロアーヌには優秀なチームがあるのです」
待ち構えていたのはカタリナである。両手には手袋をするりとはめ、メスをジャグリングで回す。
「それは結構だが人の頭上で嬉しそうに刃物を振りまわすな。それに私は別になんともないっ」
「大変、自覚症状がないわ。検査を早く、それにオペの準備!」
思いつめた声でカタリナは叫んだ。
待て!
ミカエルはますます危険を感じた。大体、オペといって分身剣のことではあるまいな。
反論しようとしたが、看護師長のエレンにすさまじい力で押さえつけられ、装置がはまる。
「動いていただいては困ります」
「冗談ではない、執務中だ」
そのとき血圧が測定中と文字が出た。気になってつい見入る。そして
「はい、苦くないからネ。アーン♪」
サラののんびりした口調に騙され、つい口をあけるミカエル。
しまった。なにか飲まされた!
こんなド素人どもの手術だと。王位簒奪だ。モニカの反逆だ。こんなところで殺されてたまるか。
エレンが向こうへ立ったスキにミカエルはベッドを降りようともがいたが無駄な抵抗だった。
「じゃ、あとは任せてラクになさってくださいね」
ヒーリングCDをかけながらにこやかに説得工作をするトーマス。眠気が襲ってくる。さては、彼はリハビリ担当か・・・・・・そこで意識が途切れた。
・・・・・・ミカエルは執務室の安楽椅子にもたれてふっと目が覚めた。もう日が傾いていた。
今のは夢か?夢なら許す。とてつもない悪夢だが。
そう思ってテーブルに目をやると、レースの縁取りの便箋にこう書かれていた。
「お兄様。
いつも政務で忙しすぎると思いまして、シノンの皆様もご招待し、お茶会を開きましたの。お兄様がお好きな緊迫した雰囲気を演出するために苦労致しましたわ。ところで固形の紅茶はお気に召しまして?カタリナはアッサムにミルクが入らないのは通とは言えないと申しますのよ。
きゃぴ♪モニカ」
便箋にはピンで別紙が2枚とめてあった。いやな予感とともにそれを見てみると。
1枚目。
「データ分析結果。
血圧。低め。脈拍。正常。血糖値。正常。コレステロール。正常。
正常値ですがやや疲労が蓄積しています。体に無理のない生活を心がけましょう。
ロアーヌ侍医組合」
そして2枚目。予想がついたために、ミカエルは胃痛がしてきた。
「1専門医療用具一式レンタル
2城内完全バリアフリーリフォーム
3城内完全光通信システム
4しのんずに払う日当
5神王教団開発最新固形飲料―紅茶(アッサム)
以上の代金といたしまして、下記請求致します。
合計:46万オーラム。
ロアーヌ侯爵 ミカエル・アウスバッハ・フォン・ロアーヌ様
===========================
ちょっと贅沢、そして心に残るお茶会を!
次回のご利用をお待ち致します。
シノン町内会イベント市場」
新作ができてなくてすみませんねえ~(←あまり反省していないだろう)
モニカがツヴァイクへ嫁入りしそこね、その後処理でミカエルは頭が痛かった。そんなことはまるで何処吹く風のモニカは庭の手入れに余念がない。ミカエルは窓からその姿を眺め、つくづく見かけと中味の違う妹だと思うのだった。
モニカは宮殿の裏庭にコスモスを山ほど作っていた。そしてそれを山ほど刈りとって、兄の執務室へ持ちこんだ。
「お兄様!こんなに素敵なお花を御覧になったことがありまして?」
「御覧になったことはあるよ。郊外に出ればコスモス街道がいくつもある。地元ボランティアの皆さんが作っているとよくニュースでやるではないか」
「まあ」モニカはむくれた。「観光においでになる時間はないだろうと、せっかく育ててさしあげましたのに」
そんな心配りをするくらいなら嫁にいってくれれば助かったのだが、とミカエルは思ったが、口に出すのは危険なような気がした。
「うむ。花を眺めるのはたしかに心が和むな。ちょうど頭が痛かったので休むとしよう。ま、5分くらいなら」
モニカはそこで間近に迫っていた。ミカエルはびくりとしたがもう遅い。
「頭痛は大病の兆候かも知れませんわ!すぐに、検査入院なさいませ!」
「いや、頭痛くらいでそんな・・・・・・」
「こんなこともあろうかと、ロアーヌには救命救急チームがございますの!」
いつのまにそんなチームを、というツッコミもできないまま、ミカエルはとてつもない勢いで担架にのせられ、宮殿のバリアフリー(これもいつのまにか改装されていた!下手に留守はできないものである)の廊下を疾走させられた。
「ぶつかる、スピードをだすのはよせ」
「一刻を争うのですわ。しっかりお捕まりください、お兄様!!」
その間にモニカは携帯電話を取りだし、コールをかけた。
【脳に重篤な病巣の疑われるクランケ一名、センターに送致する。スタッフは急行せよ。繰り返す、全スタッフは急行せよ・・】
一体どんなスタッフが来るのやら。というか、ちょっと頭痛がしただけで手術でもされたらたまらない。ミカエルはスタッフとやらに話せばわかると思った。しかし途中で合流したのは。
「ユリアン!」
「お任せ下さい、どんな悪路だろうと迅速にお連れいたします」
悪路もなにもここは道じゃない、宮殿の中である。ユリアンはモニカとタッチ交替すると、いよいよフルスピードで走る。カーブカーブ、それから下り坂。うう、酔いそうだ。
そして病棟に到着すると、そこにはさらに見覚えのある顔が。
「もう大丈夫です、ミカエルさま!ロアーヌには優秀なチームがあるのです」
待ち構えていたのはカタリナである。両手には手袋をするりとはめ、メスをジャグリングで回す。
「それは結構だが人の頭上で嬉しそうに刃物を振りまわすな。それに私は別になんともないっ」
「大変、自覚症状がないわ。検査を早く、それにオペの準備!」
思いつめた声でカタリナは叫んだ。
待て!
ミカエルはますます危険を感じた。大体、オペといって分身剣のことではあるまいな。
反論しようとしたが、看護師長のエレンにすさまじい力で押さえつけられ、装置がはまる。
「動いていただいては困ります」
「冗談ではない、執務中だ」
そのとき血圧が測定中と文字が出た。気になってつい見入る。そして
「はい、苦くないからネ。アーン♪」
サラののんびりした口調に騙され、つい口をあけるミカエル。
しまった。なにか飲まされた!
こんなド素人どもの手術だと。王位簒奪だ。モニカの反逆だ。こんなところで殺されてたまるか。
エレンが向こうへ立ったスキにミカエルはベッドを降りようともがいたが無駄な抵抗だった。
「じゃ、あとは任せてラクになさってくださいね」
ヒーリングCDをかけながらにこやかに説得工作をするトーマス。眠気が襲ってくる。さては、彼はリハビリ担当か・・・・・・そこで意識が途切れた。
・・・・・・ミカエルは執務室の安楽椅子にもたれてふっと目が覚めた。もう日が傾いていた。
今のは夢か?夢なら許す。とてつもない悪夢だが。
そう思ってテーブルに目をやると、レースの縁取りの便箋にこう書かれていた。
「お兄様。
いつも政務で忙しすぎると思いまして、シノンの皆様もご招待し、お茶会を開きましたの。お兄様がお好きな緊迫した雰囲気を演出するために苦労致しましたわ。ところで固形の紅茶はお気に召しまして?カタリナはアッサムにミルクが入らないのは通とは言えないと申しますのよ。
きゃぴ♪モニカ」
便箋にはピンで別紙が2枚とめてあった。いやな予感とともにそれを見てみると。
1枚目。
「データ分析結果。
血圧。低め。脈拍。正常。血糖値。正常。コレステロール。正常。
正常値ですがやや疲労が蓄積しています。体に無理のない生活を心がけましょう。
ロアーヌ侍医組合」
そして2枚目。予想がついたために、ミカエルは胃痛がしてきた。
「1専門医療用具一式レンタル
2城内完全バリアフリーリフォーム
3城内完全光通信システム
4しのんずに払う日当
5神王教団開発最新固形飲料―紅茶(アッサム)
以上の代金といたしまして、下記請求致します。
合計:46万オーラム。
ロアーヌ侯爵 ミカエル・アウスバッハ・フォン・ロアーヌ様
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ちょっと贅沢、そして心に残るお茶会を!
次回のご利用をお待ち致します。
シノン町内会イベント市場」
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