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ロマサガ3の二次創作を書いているひとのブログです。
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ネスを救助した直後の話です。
たいした内容に見えないですが、覚えておくとあとでリンクしたのがわかるかも。

ふー、暑い暑い。
ランスのビアガーデンで打ち上げやろうぜ(やっぱ七夕(旧暦)の?)
あ、ワタクシ最近気に入っている0.0%で。<単にホップ炭酸だろうか?

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さわやかな川のせせらぎが聞こえる。ネスは自分が骨折はおろか、かすり傷も少ししか負っていないことに気づいていた。
しかし、結構な高さから赤土の上を滑って谷まで落下したのである。頭だけはフラフラした。多少は打ったらしい。
突然、地面が動いた!と思えば、下敷きになっていたのはあのラセツだ。
ネスは、まだふらつく頭で考えた。もう術を打つ体力はない。かといって剣で立ち向かうことなど余計に無理だ。あの落下の寸前、アリエンがたしなめると、たしかにラセツは攻撃をやめたように見えた。だがしかし、結局はネスを谷まで引きずり落としたのではないか。

ラセツが身動きし、ネスを見下ろした。
「とどめを刺すかい?それも仕方がないね。ずっと勝負がつかなかったもんね」
ネスはつぶやくように言った。そして、石の上に座り込んだ。
ラセツは首をかしげ、それから川を振り返った。どうやら、どちらに向かうか迷っているようだ。
「南に向かうなら、下流だ」ネスは指差して教えた。「下りすぎると町に出る。でも途中の森を西に向かえば人家はない」
ラセツは低くうなった。まだ迷っているらしい。ネスは黙っていた。
ー―そもそも何しにここへ来たんだ、こいつ?
ラセツは耳をそばだて、今度は急いで下流へと歩いていった。ラセツが急いだ理由はすぐに分かった。捜索隊が、薄暗くなった川べりにたいまつを持って現れたのだ。
「ここです。僕は、モウゼスのネス……」ネスはやっとのことでそれだけ言った。


次にネスが目を開けると、似ても似つかない二人がこじんまりとした部屋の中に座っていた。
一人は金髪をざっくりと切った少女で、だれかのお下がりのようなフードのついた服を着ている。もうひとりは、母親にしては若いが、姉というにしては似ているところがないので、継母ではないかと思われた。理解しがたいファッションで、指にも首にも光りものが複数ついている。
なんてことだ、とネスは思わず目を見開いた。
こっちの少女のきれいな髪を売って、継母は宝石を買ったに違いない。
「あんたがネスね?」継母が言った。「私はオリオール・フルブライトよ。アリエンに頼まれて救助に来て見たら、川べりに転がってたからここへつれてきたわ。医者は、術力の使いすぎっていったわよ?」
「はあ」
「ま、寝ていれば治るんですって」
「どうも。それで、ここってどこなんです?ラセツは?」
「ランスのベント家別邸。ちょっとした世話ならこのコがするから。フィデリスよ」
「どうも」
ネスは言いたいことがあったが、まだ口が回らないでいた。
「ラセツはね、さっき聖王関連の本で調べたら、妙な生態のことが書いてあったわ。ずっと昔に、大切な主を守ろうとして移動してきたことがあるのですって。その本能がいまだに残っているから、主の仲間と見れば攻撃しないって。へんな説よね。あんたは運がよかっただけだと思うわ」
「オリオールさん、この人、何を食べるの?」と、フィデリスが言った。
「普通に人間の食べるものをやればいいわよ」
このやりとりは、まるで野生動物でも捕獲した親子のような会話だ。
「まだ口もきけない? やっぱり、ちょっとは様子見したほうがよさそうね?」オリオールはそばのソファに偉そうに腰を下ろして、自分が得等席で暖炉に当たった。フィデリスは苦心しながらミルクを運んでいく。
「そうだ、フィデリス、聞いておきたいことがあったのよ。あたし、明日は出発するから今のうちよ」
「ん?」
ミルクをネスに渡してからフィデリスはオリオールのそばに戻る。
「アンナさんてさ、誰かと付き合ってるの?」
「付き合う?」
「そうよぉ、らぶらぶって感じの相手はいないの?だって、ありえないでしょ、誰もいないなんて」
らぶらぶなんて死語だぞ、とネスは思うが聞いていないフリ。ミルクは非常に美味だ。
「相手?」
フィデリスがきょとんとするので、オリオールはじれったくなったようだ。
「一緒にどっかでかけたり、食事したり、んー、そんなんじゃ誰でもそうねえ、じゃ、ハグしてたりキスしてたりって相手は見たことないの?」
「はぐ?」
「あんたねえ、何も知らないのも限度があるでしょ。こうやるのよ」
と、オリオールはフィデリスをぎゅっと抱きしめた。
「それからキスってのはねえ――」
BOMB!
ネスはスパークしない水爆弾を見舞った。
継母め、ロクなことを教えないんだ!

「おや?」オリオールは涼しい顔で振り返る。もちろん、ちゃっかりと白虎術で回避している。(フィデリスはいろんな意味でびっくりして固まっていたが)
「回復の早いこと。それなら心配いらないわ」と、けらけら笑い、無理に術を使ってぜいぜいしているネスの首元に目をつけた。
「アクアマリンか、結構いい石じゃない?ふたつっていうのが、ネックレスのセンスにしちゃどうかと思うけれど」
「これは、戒めの石なんだ。治療に失敗したしるしってこと」
「治療?」フィデリスがしゃがみこんで尋ねたので、ネスは大きく頷いた。
「一度目は、ツヴァイク。旅の見世物小屋の親方が流行病にかかっていた。医者が手におえないといって、助手にと頼まれた。でも弱りすぎてて。治療費を稼ぐのに時間がかかりすぎたんだ。みんな、泣いたよ。見世物小屋は解散になったし。二度目は、ランスの、この近くの森だった。灰色のきれいなテンが罠にかかったらしくて、わき腹が裂けていた――」
フィデリスはびくんとした。ネスはその反応が気になったが、話は続けた。
「すごく、何かいいたそうな目をして、僕はどうにか助けられないかと術をやってみたんだ。ちょっとだけ、止血することができて、これはどうにかできると思った。そこに猟師が来て、商売の邪魔だと殴り倒されて、……起き上がったときには、テンはもう毛皮のような状態で猟師の皮袋に入れられてた」
ふと見ると、フィデリスは目にいっぱい涙を溜めていた。
「どうしたの?」ネスは驚いて手を握って言った。
「そのテンは、わたしの友達だったから……」
「ごめん」ネスは自分も悲しくなって言った。「気がつくと二回とも、手にこの石を握ってた。拾った覚えがなくて、誰かに握らされたんじゃないかと思うんだけど。そして、ひたすら悔しくなる。もっと技術があれば、もっと術力があればって」
それだけ一気にしゃべると、さすがに疲れたのか、ネスは再びめまいを感じた。喋りすぎね、とオリオールが立ち上がり、フィデリスを促した。一緒にいるといつまでも喋りそうだったからだ。ネスは、休みますといって大人しく毛布にもぐりこんだ。
「ねえ、オリオールさん」フィデリスは立ち上がって、小声で言った。
「はいな?」
「わたし、この人がとても好きだわ」
そんなことを、全く臆面もなく、まっすぐな瞳で言う。狭い部屋なので、寝たふりのネスにも丸聞こえ、ネスは勝手に耳まで赤くなっている。オリオールは噴出しそうになって言った。
「そりゃよかった。クッキーとチョコレートのほかにも好きなものができたのね」
それから誰にも聞こえないように。
「やれやれ……なんであのド貧乏な天文台の兄妹があんたを養うのかわかるような気がするわ」
でも結局アンナさんについての疑問は謎のままだった。
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